やりたいことがわからないフリーターこそ、職を転々とすべきワケ■「自分メディア」はこう作る!レビュー■

ブックレビュー

「職を転々とする」と聞くと、一般的にはあまりいいイメージはない。

我慢が足りない、責任感がない、仕事を甘く見ているなど、1つのことを最後までやり遂げることがいいとされている日本人の感覚に反するからだと思う。

しかし、やりたいことがわからないフリーターにとっては、多様な仕事を経験することは大事なことだと思っている。仕事を経験してはじめてわかることが、たくさんあるからだ。

そんな中で読んだ『「自分メディア」はこう作る!』は、まさにそれを伝えてくれていたように思う。

この本のメインの内容は、月間20万人以上の人に読まれる人気ブログである「chikirinの日記」をどのような戦略で育ててきたのかを、わかりやすく解説している。

それ自体の内容もめちゃくちゃ面白く、ブログやyoutubeで何かを配信している人には役立つ内容なので、ぜひ読んで欲しい。

が、今回僕が一番気になったのはそこではなく、後半に記載されていたブログのベストエントリーの1つである「ちきりん最初の職業選び」だった。

彼女が大学時代、どのような仕事(バイト)を選び、そこから何を学んできたのかがわかる内容になっている。

★★★

最初かどうかは不明だが、彼女はまず時給の良い家庭教師の仕事を選んでいる。

仕事自体も面白みを感じることができなかった上、たまたま在宅していた一家の父親に「先生、よろしくお願いいたします」と深々と頭を下げられたときに感じたことを書いている文章がある。

必死で働いて一家を支えているお父さんが、大学名がいいだけの小娘にこんなにへりくだる必要があるとは思えなかった。

自分の父親にこんな行動をとらせる二十歳の学生がいたら、とても気分が悪いだろうと思いました。

彼女はこの経験から、お金だけを目的とした仕事は、自分には合わないと気づく。

ここで大事なことは

「何が原因で、この仕事が合わないと思ったか」

を自分の言葉で言語化すること。そこが自分の中で腑に落ちていないと、同じようなことで仕事を辞めてしまうことになる。

僕も「苦手・嫌いな人と一緒に働く」ことが、精神的にも肉体的にもパフォーマンスを下げることがいまいち分かっておらず、それが原因でうつ病にかかったり、何度も仕事を辞めてたりしていた。

経験から学ぶことができないと、同じことで苦しむことになる。

★★★

また、好き・楽しい、やりたいと思うことも、仕事を通じて気づくことも多い。

今ほどではありませんでしたが、コンビニの商売の仕組みはゾクゾクするほどおもしろいものでした。(中略)

巨大な会場に様々な巨大な会場に様々なタイプのコンビニの店が大量に再現されている本部主催の勉強会の会場を歩きながら、「ビジネスの仕組みを考えるって、めっちゃおもしろい!」と興奮しました。

頭の中で「好きなことはなんだろう?」と考えても答えが出にくいのは、五感を使っていないから。

実際に足を運び、手を動かし、目で見て、肌で感じ、経験することで、はじめてわかることは多い。

★★★

ちきりんさんは、辞めても誰も気にしない学生のうちに色んな仕事を経験することを勧めていたが、やりたいことを探しているフリーターにも当てはまると思っている。

場所にもよると思うが、バイトに与えられる仕事は基本同じものであり、新しい経験を積めるものは少ない。結果、自分の新しい側面を見つけにくくなってしまう。

もちろん一定時間働かないと、生活が成り立たない面もあるので、メインのバイトは残しつつ、サブのバイトで色んなことを試してみることをオススメする。

僕も掃除のスキルが比較的高く、周りから評価されることをバイトを通じて知った。何が合うか、合わないか。評価されるか、されないかは、本当にやってみるまでわからない。

わかっているようで、わかっていない、自分のこと。それがはっきりと理解できるのは、まず経験することに尽きる。

ちきりんさんの本は「自分のアタマで考える」ことを教えてくれる。フリーターは誰かに相談すると余計な説教を受けることがあり、自分で悩みを抱え込む人が多い。

そんな悩みを解決するヒントを、ちきりんさんの本は与えてくれる。


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