生きづらさを感じたら、読んで欲しい■生きづらい世を生き抜く作法■

ブックレビュー

貧困や障害など、生きづらい人のために活動している雨宮処凛さん。

彼女も20代前半のころ、やりたいことが分からずにフリーターを続けていた。境遇が似ていることもあり、いいなと思ったところに付箋を張っていったら、本が大変なことになった。

彼女自身の経験と、その内向的な性格は僕と共通するところが多くあり、終始うなずきながらあっという間に読んでしまった。

彼女が自身の経験を通じて得た「生きづらい世を生き抜く作法」の詳細はぜひ読んでほしいが、1つだけ紹介したいと思う。

★★★

まず私の場合、学生時代から「正しい大人」が大声で語る正論に追い詰められてきた。(中略)

「正しい大人」たちは常に努力と忍耐を強いる。そして私はそのたびになんだかどうしようもなく息苦しくなるのである。

「正しい大人」とは、僕なりの解釈だと

・世間の声

・常識

・普通

・学校的価値観

と捉えているが、要は

「普通は、〇〇すべきだよね」

という、日本人の中に芽生えている感覚だと思っている。親の考え方や、学校での教育、メディアなどから植え付けられるもので、多くの日本人が共通して持っているもの。

僕の中でフリーターをやっていて一番苦しんだのは

「社会人になったら、正社員として働くべき」

という「正しい大人」の正論。

実のところ、これを誰かに直接言われたワケではない。ふとした瞬間、直接自分が自分のアタマに語りかけ、その度に辛い気持ちになっていた。いい年して、何やってるんだと、多くの人がやっている普通のことができない、情けない自分を思い知らされていた。

そんなことが何百、千回も続くと、いい加減疲れてくる。あるとき、ふと

「もう、これ以上悩んでも仕方がないな」

と少しずつ割り切るようになってから、僕も少しずつ生きづらさが軽減してきたように思う。雨宮さんは「正しい大人」の言うことを一切聞かないようにしたと書いていたが、僕もそのイメージに近い。

日本には「正しい大人」の正論があまりにも多い。

・文武両道。部活も勉強会も頑張るべき

・良い大学に入って、正社員として大企業に就職するべき

・30前までに結婚し、子どもを作って幸せな家庭を作るべき

これらを満たしている人がどれだけいるのかという話だが、問題は

「〇〇すべき」が満たせていない自分はダメだと思ってしまう、マジメな人が、日本には非常に多いことだと思っている。それが生きづらさにも繋がってしまう。

雨宮さんの文章は、優しさに満ちている。心から「生きづらさ」を感じている人の支援をしたいという気持ちが、文章からにじみ出ている。

その他、個人的にいいと思ったポイントを軽くまとめたので、気になると思った人は実際に読んでほしい。

★★★

・他者からの評価を基準にしている限り、永遠に生きづらい

・人に迷惑をかけるなという呪縛

・相手を黙らせる「犠牲の累進性」

・真の意味での自立

・自分を好きだと思える瞬間を増やしていく

・恋愛依存の危険性

・現代日本は、足りない部分を指摘される世の中である

・真面目な人ほど「正論」に追い詰められる

・30代で一番失ったのは、恥と、人からどう思われるか

・嫌なことに嫌と言えないと自分をどんどん嫌いになってしまう

・みんな同じ境遇なら耐えられる。けれどその中に格差が生まれて、他の人と自分を比べて落差を感じると、みじめさを感じてしまう

・人間のかなりの苦しみが「人に良く思われたい」という色気から始まっている

 

 

 

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